【途中で戻る時はブラウザの「戻る」でお戻りください。

「んん・・・」

ロックは何となく目が覚めてしまった。窓の外は、まだ、薄暗い。
ぼーっとした頭で昨夜の記憶を辿ってみる。
久々に酒をあおり、上機嫌で部屋に戻ると同じくほろ酔いのセリスが一緒に入ってきて、
他愛のない話でまた盛り上がり、いつの間にやらお楽しみの・・・

そこで完全に意識が戻った。
はっと横を見ると、セリスがすうすうと安らかな寝息を立てて眠っている。

(あー、あれから寝ちまったんだっけ)

完全な夜明けまではまだあるが、なんだかもう眠れそうにない。
とはいってもすることもなかったので、ロックはセリスの顔を間近で眺めることにした。

(昨日のセリス、可愛かったな)

自分の腕の中でだけ見せるセリスの姿を思い出す。
夕べが初めてではなかったが、肌と肌との触れ合いにまだ不慣れなセリスは
全てが初々しく、かと思えばぞくりとするような視線で自分を捉えてきたりと、
男として栄誉ある夜を過ごすことができた。

思い出せば出すほど、昨夜の余熱がふつふつと燻ってくる。
ロックは身体の火照りを感じ、何となくセリスに囁きかけた。

「セリス」

返事はない。今度は声に出してみる。

「セーリス」

返ってくるのは健やかな寝息ばかり。少し開かれた唇がさくらんぼのように艶やかで、
ロックはつい触れたくなって軽くそこに口付けてしまった。

「ん・・・」

セリスは眉を寄せただけで目覚める気配もなかったが、反射的に唇をキスの形に尖らせた。
それをみて、ただ反応を楽しむつもりだったロックの、男の部分が反応してしまう。
もう一度、今度は強く唇を押し当てる。セリスは嫌がらないし、目覚めない。

ふと視線をずらすと、眠る前に寒くないようにと着せた自分のシャツの間から覗く
美しい曲線の谷間と目が合った。自分のインナーが情事の間に行方不明になり、
探そうとするセリスにとりあえずこれをと着せたシャツ。

肩幅の分だけセリスにはぶかぶかだったが、
そのお陰で桜色の先端が見えそうで見えず、それが余計に男の劣情をそそる。

(セリスが悪いんだぞ)

およそ勝手な言い訳で次は胸に狙いを定める。
谷間のラインを存分に堪能すると、腹を据えて両手で二つのふくらみに触れる。

セリスが反応しないことを十分に確かめると、今度はゆっくりと揉んでみた。
布越しに優しくも確かな弾力を感じ、ロックは歓喜のため息をついた。
思い切って顔をうずめようかと布団にもぐったが、
自分の衣服に興奮するのはあまりにも不本意だったので、迷った末に指でつまんでシャツを引き上げる。

少し苦戦したが、程なく豊かな果実がぷるんと姿を現した。

(おお・・・)

きめ細かく透明感のある白い肌、その頂点で存在を主張する濃い桜色のつぼみ。
昨日も確かに見ているはずなのだが、暗がりの中だった上、
セリスが恥らって凝視を許可しないのだ。こんな機会はそうあるものではない。
俺の宝は目の前にあったのだと、ロックはいるのかもわからない冒険家の神様に感謝した。

(じゃ、お邪魔します)

眠ったままの主に勝手に断りをいれ、
ロックは迫る乳房に静かに興奮しながらしっかりと顔をうずめた。
人肌の心地よい圧迫感にまた一段と身体の中心が熱を帯びる。
こうなると欲は留まることを知らず、指先で弾力を試しては手の平で重みを確かめ、
つぼみを転がしては冒険心で少し強くつまみあげてみる。
段々と大胆になる悪戯に対し、セリスが時折吐息で返すこともあり、
それがまた耳朶をぞくぞくと刺激してくる。


もう駄目だ。



何かの一線を越えたことをはっきり自覚し、
ロックは心の中で偶然を装いながらついにセリスの下着に指を滑り込ませた。

しかしそこでセリスが軽く身じろぎし、その隙に埋もれかけていた理性が本能の首を絞めてくる。

(何をやってるんだ、俺は!)

左手で欲望に蠢く右手を引き戻し、懸命に爪を立てる。

(こんなことやって、セリスが気がついたら傷つくだろうが!)

ここに来るまでの道程は容易だったわけではない。
この一夜の出来心で、それを壊すわけにはいかないのだ。

壊すわけには。

いかない。

しかし。


(でもよ、俺も・・・男なんだぜ・・・)


25歳の健康な青年の野生の牙は、折れることを知らない。
ロックは建前と本音、胸と胸の狭間で揺れた。いや、揺られた。
そして葛藤の末にたどり着いた結論は。

(セリス、許せ!)

一夜限りの浮気を。ロックは布団から顔を出し、先ほど封じた欲望の右手を、
今度は自分自身に添えた。こもった熱を開放するには、もうこれしかない。

(あーちくしょう、すげー気持ちいい・・・)

自分で刺激し始めると、どうしようもなく止まらなくなってしまった。
セリスの寝顔を眺め、反対の手で胸に触れ、
昨夜の感触を精一杯思い出しながらロックは独り後ろめたい快感に溺れていく。

(やべえ、もう出そうだ)

トンネルの出口を感じ、慌てて手近な布を掴むと、ロックはセリスに背を向け、
さらに刺激を強めた。妄想のセリスが髪を乱してロックを求める。
思わず、呼びかけた。

「・・・うっ・・・セリス・・・・・・!」
「何?」









音を立てて血の気が引いた。

が、快感の波は猶予なく襲い掛かり、ロックは股間と口を押さえたまま果てるしかなかった。
声を出すわけにはいかなかったので、かなり不自然だったが身体を震わせながら寝たふりをする。

快楽の余韻と焦りに交互に蝕まれながら、ロックは蒼白な顔でセリスの次の反応を待つ。

すると。

「どうしたの、苦しいの・・・?」

後を引く眠さでけだるそうにセリスが背中をなぞってくる。
かと思うと、身体をぴったりとくっつけてきて、二つの果実を背中越しに押し当ててくる。
今振り返ったら、熱いキスは容易にできただろう。

これってもしかして、もう少し待ってたらチャンスがあったんじゃ・・・

早すぎた決断に遅すぎる後悔をし、せめて処理をした布に気付かれる前に
これだけは遠ざけておこうとじりじりと腕を動かすと、そのシルクの感触に再び血の気を失う。




これ、セリスのインナーなんじゃないか・・・?




全身の毛穴からかいたことのない種類の汗が噴き出した。

機械のように規則正しい寝息を立ててみせながら
ロックが真っ白な頭ですべきことを必死に考えていると、
不意にセリスが手を伸ばしまだ火照りの残るロックの額に触れてきた。

「やだ、熱がある!裸のまま寝るから・・・
 ちょっとロック、震えてるわ、大丈夫?」

セリスは跳ね起きて、懸命に返事をしないロックの心配をしだした。


悪かった。俺が悪かった、もうしない。

しないから。

勘弁してくれ・・・


熱を計られ、肩を揺さぶられ、されるがままになりながら、ロックは心で懺悔の涙を流した。






この後ロックがどうなったかは、いるのかもわからない冒険家の神様しか知らない。





――――――――――――――――――――――――――――――

■神様ヘルプ!■

お色気要素を!!ということで男が喘いだだけの誰得Textでした。
個人的にロックはおっぱいハンターだと思ってます(キリッ


MainTop




神様ヘルプ!